PDF Creation Tool
公開日: 2025/10


塾のプリント作成業務効率化ツールの開発
開発の背景と目的
塾のアルバイトにおけるプリント作成業務には、いくつかの課題が存在していました。具体的には、テスト前に各中学校の試験範囲に合わせて手作業でプリントを作成する必要があり、以下の点が負担となっていました。
単純作業の反復: テスト範囲の特定、対応ページの検索、製本という一連の作業を学校ごとに行う必要があり、ミスが発生しやすく、時間もかかっていました 。
非効率性: 上記のプロセスは、自習監督の傍らで行われることが多く、本来の業務を圧迫する可能性がありました 。
これらの課題を解決し、業務を効率化することで、本来の教育業務に集中できる環境を整えることを目的に、本ツールは開発されました 。
第一次開発(デスクトップアプリケーション)
最初の試みとして、3年前にProcessingを利用したデスクトップアプリケーションが開発されました 。
成果: このツールにより、プリントを束ねる作業が自動化され、作成時間は体感で約半分に短縮されました 。これにより、アルバイト中の自由時間が増えるという効果も得られました 。
課題:
導入の障壁: アプリケーションの利用には
.exe
ファイルを各PCに配布・インストールする必要があり、普及しにくいという問題がありました 。メンテナンス性: テスト範囲などのデータ更新には、開発者自身が
.csv
ファイルを直接編集する必要があり、専門知識のないスタッフが容易に更新できない点が課題でした 。
第二次開発(Webアプリケーション)
第一次開発の課題点を克服するため、よりアクセシビリティとメンテナンス性の高いWebアプリケーションとして再開発が行われました 。
改善点: Webアプリケーションにすることで、利用者はURLにアクセスするだけでツールを利用できるようになり、インストールの手間がなくなりました。また、データの更新も管理画面から容易に行えるよう設計されていると推測されます。
採用技術スタック:
フロントエンド: React, TypeScript, Next.js (Vercelにデプロイ)
バックエンド/インフラ: Node.js, Amazon S3, Cloudflare
ライブラリ/その他: PDF-LIB(PDF操作), Auth0(認証), Tailwind CSS(UI), dnd kit(ドラッグ&ドロップ機能), ESLint(コード品質)
この技術選定により、スケーラビリティとメンテナンス性に優れたモダンな開発環境が構築されています。
総括
本プロジェクトは、身近な業務の非効率性に着目し、技術を用いて段階的に課題解決に取り組んだ好例です。デスクトップアプリケーションからWebアプリケーションへと発展させることで、より多くの利用者が手軽に使える、実用性の高いツールへと進化しました。